なぜ塩分の摂り過ぎが血圧に影響するのか
身体は恒常性維持と言って、身体の環境を一定の状態に保とうとする働きがあります。
例えば血圧やを血糖や心拍数など、環境の変化で大きく変わってしまっては大変です。
そこで自律神経系、ホルモン系、免疫系などが関わって調整してくれています。
血液中のナトリウム濃度も一定に保とうとしています。
塩分が多いと血圧が上がる原因には次のようなことが言われています。
味の濃い、塩分の多いものを食べ過ぎると、血液の中のナトリウムが多くなります。
身体はこれを薄めるために血管の中に水分が引き込まれ血液量が増えます。
またのどが渇き、外から水分をたくさんとることによっても、血液量が増えます。
それらを心臓が頑張って循環させなければならないので、血圧が上がります。
そしてナトリウムは交感神経を緊張させるので、血管が収縮して血圧が上がってしまいます。
高血圧の方の中には食塩感受性が高い方もいる
食塩感受性が高い人は、塩分によって血圧が上がりやすいタイプの方です。
生活習慣が乱れたり、自律神経の働きが乱れると上がりやすくなります。
また、高齢者で腎機能が低下した方は、腎臓のナトリウム排泄能低下によって、食塩感受性が高くなりやすいです。
また、この感受性は夜型生活が続いても上がってしまいます。
生活習慣や、自律神経の働きを調えながら、塩分量ではどのようなことに気を付けるとよいでしょうか。
塩分量とは
塩分量とは、塩化ナトリウム、食塩相当量のことを言います。
ナトリウムと塩素が一緒になった量です。
ですが、一般に袋に表示されているのは、ナトリウムが何グラム入っているかのナトリウムの量です。
よって、それを塩分量に換算しなければなりません。
塩分量(g)=ナトリウム量(㎎)×2,54÷1000
例えば、インスタントラーメンの袋にナトリウム(Na)は2300mgと書いてあったとします。
塩分量は
2300×2,54÷1000=5,8gとなります。
厚生労働省は2015年4月、一日の厚生労働省推奨食塩摂取量を男性8,0g未満、女性7,0g未満と改正しました。
日本高血圧学会のガイドラインでは、一日あたりの塩分摂取量の目標を6g未満と設定しています。
血圧の高めの方は、一般の摂取量より、1日0,5~2g近く少な目が目標です。
目安として、醤油を2回かけると1g、ソースやポン酢は2回かけると0,5gとなります。
味を見る前に醤油をかける人は、摂り過ぎてしまうことが多いので気をつけましょう。
この塩分量に気を付けながら食事を頂くことになりますが、その時使われている塩にも種類があります。
自然塩はミネラル豊富な贈り物
減塩と塩はあまりよくないイメージとなっていますが、昔から使われ続けてきた意味はどこにあるのでしょう。
海から生物が誕生した
太古の海水塩分濃度が私たちの体液組成に最も近いと言われています。
なぜなら、太古の海から生物が誕生したからです。
この海水の中には、私たちの身体に必要な成分がたくさん含まれています。
海水には50種類以上もの多くのミネラルが含まれているのです。
体内を流れる血、激しい情熱や感情のことを血潮(ちしお)と言います。
躍動感あふれる命のもとになるエネルギーの原動力になるものがこの潮に含まれているに違いありません。
歴史的に見る塩の大切さ
- 忠人蔵の大元の原因が塩の製塩技術のやり取りであった。
- 大昔、砂漠の商人の間では塩は金と同じくらいの価値があった。
- 塩の道があったように、海から遠い地域の人は、塩を大事に扱った。
- 中国の前漢書に、「塩は多くの食べ物の中で大将となるものである」ということが書いてある。
精製塩と自然塩の違い
精製された塩が多くの食品に使われています。
これらにはどんな違いがあるのでしょうか。
精製塩
精製塩とは、塩水を化学的に精製して塩化ナトリウム純度を99%以上にした高純度の塩のことです。
海の中にあった、多数の微量ミネラルは入っていません。
よって、こちらの塩で作ったものを摂り過ぎると、血管を収縮するナトリウムを多く摂ることになり血圧にも影響してきます。
外食するとき、塩にこだわっているお店もありますが、精製塩を使っているところが多いでしょう。
加工品などに多く含まれる、うまみ調味料やエキスには隠れた塩がたくさん含まれています。
購入するときに成分を見ると入っているか調べることができます。
感覚としては、食べた後にのどが渇いてお水を多く摂らなければならない時などは、塩分が多すぎるかもしれません。
自然塩
自然塩は海水の組成に近いものです。
塩化ナトリウムが80~90%で他は多数の微量ミネラルが含まれています。
高血圧にも影響する血管を広げるカリウム、心臓の働きを良くするマグネシウム、血圧を調整するカルシウムなども微量入っています。
血管を収縮させるナトリウムとも調和するようにいろんな微量ミネラルが含まれています。
自然のものは、バランスを取るようにいろんな成分が入っています。
人間が開発したものは、特定の成分や栄養素を作り出すことはできますが、自然の作りだすバランスにはかないません。
このような、本来の塩である自然塩にはいろんな働きがあります。
- 神経伝達に関わる
- 身体を温める働きがある(尼さんが海に入るとき塩をなめるように)
- 胃腸の蠕動運動を活発にする(昔、よく朝便通を良くする為に、水に少しの塩を入れるということがありました)
- 身体のpHの調節
- 筋肉の動きに関わる
- 漢方医学では少しの、しお鹹いは腎の働きを良くすると考えられている(腎とは腎臓の他、自律神経系、ホルモン系なども含んだ広い意味をさしています。)
ただ、この自然塩もたくさん摂って良いというものではありません。
恒常性維持で体内の塩分量も一定に保たなければならないのですから、多く摂り過ぎれば身体のバランスを崩してしまいます。
ですが、家計的にうまくできています。
精製塩は安くできますが、自然塩は値段も高くなります。
よって、人は使いすぎず大事に使うことでしょう。
丁寧に作られた、身体によいものを有り難くいただく。
これが自然の塩も喜ぶ食べ方だと思います。
自然塩を使い血圧が上がらない工夫
自然塩には多くの微量ミネラルが入っていることをお伝えしました。
血圧を上げずに微量ミネラルを活かすお料理方法があります。
塩分適量で美味しくいただく
ミネラルは微量で働く栄養素です。
ひと手間を加えると、塩を少なくしてもうまみを引き出すことができます。
だしをとる
だしに煮干しや昆布、鰹節、貝柱、切り干し大根や、干しエビなどを使う。
スープの素や、市販の味付け調味料は塩分が多い。
(これらのだしをたくさん作っておいて、お好み焼きの時、水で小麦粉をとくのではなく、だしでとくと、ソースなども少なくより美味しい)
酸味を利用する
お醤油に酢を加える。
レモンや、カボスや、かんきつ類を加える。(ドレッシングもひと工夫で美味しさも増す。)
薬味を使って風味を出す
ショウが、わさび、みょうが、シソ、ネギ、ニンニクなどを使う。(つけ麺も薬味をたくさん入れると、薄味でも美味しい。)
スパイスを使う
シナモン、こしょう、ウコン、カレー粉、山椒、ウイキョウなどを使う。(塩だけの味付けではなく、塩+山椒、塩+カレー粉というようにスパイスを加えると、同じ食材でも味に変化が出る。)
まとめ
高血圧の予防のために、塩分のとりすぎに気を付けることは大事です。
そして、どういう塩を使うかということにこだわることも大切です。
漢方医学では五つの味、五味(酸・苦・甘・辛、鹹)は少しは補うが多くはやぶるという考えがあります。
しお鹹いも微量であるといろんな働きを補うというのです。
少しの量の中に身体を調整する作用があるということを楽しみに取り組んでみましょう。
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