メタボリックシンドロームになりやすい職業が研究されていることをご存知でしょうか。
福島県立医科大学衛生学の研究者によって、日本人の会社員12万の解析から、次のようなことが報告されました。
メタボリックシンドロームの有病比を職業別に比較したら、男性は「建設業」「運送業・郵便業」「学術研究、専門・技術」「協同組合」の4つの業種で高く、女子では、「医療・介護」「協同組合」で高かったというのです。
そのような傾向にあるということは、その職種の仕事スタイルがメタボになりやすいと考えられます。
ですががっかりすることはありません。
その仕事のスタイルを新陳代謝がよくなる健康的なスタイルに変えると、仕事にも好影響となるからです。
それぞれの職種について、考え対策を練ってみましょう。
「建設業」で働く方々の特徴
建設業でもいろいろ仕事内容が異なり、一概には言えません。
ですが、ここでは建設業の方でも現場で働く方々について、考えてみましょう。
現場で働く皆さんは、現場近くでのコンビニのお弁当や菓子パンなどで済ませる方も多いのではないでしょうか。
それだけでは、体力を使う仕事では、エネルギー不足になってしまうことでしょう。
そこで、そのエネルギーを補うために、簡単に缶コーヒーなどの甘いもので補ってしまっては、メタボリックシンドロームになってしまいます。
また、建設業の方々は、からだを動かすことも多いと思います。
それが良い運動になるとよいのですが、からだの使い方が悪いとけがや足腰を痛めることにもなりかねません。
お薬で痛みを抑えながら頑張っていると、新陳代謝が悪くなり、メタボが加速してしまう恐れがあります。
「建設業」で働く方々の対策
- 元気が出るごはんとみそ汁、コンビニが多い方は、食堂なども利用する
- 準備運動などで足腰を良くほぐしてから仕事に取り組む
- 足腰に負担のかからないよう体軸を意識して身体を使う
- 汗をかいて水分を補給するときは甘いジュース類は控える
「運送業」で働く方々の特徴
運送業の方も、食事のバランスが乱れていることが十分に考えられます。
長距離のトラックの運転手さんは、サービスエリアで食事をする人も多いことでしょう。
その時は、どうしても、ラーメンとか、カレーライスとか、簡単にすぐ食べられるものを選ぶのではないでしょうか。
そして、渋滞を避ける為に、ご飯を急いで済ませる方も多いとでしょう。
自動車の椅子は、デスクワークの椅子に比べて、柔らかいシートが多いです。
そこに長時間座っていると、シートがくい込む感じで内臓を圧迫して、腎臓など内臓に負担がかかることがあります。
運送業の方には、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの病気の罹患率も多いのは、このような椅子の影響、座り方も関係があります。
「運送業」で働く方々の対策
- 自動車のシートを変えることはできませんが、もし腰や背中が疲れるようだったら、背中にクッションを入れてみたり楽になるように座り方を工夫をする
- 時々、自動車を止めて外で体操をする
- 食事はよく噛むことを意識する
- サービスエリアでもバランスのよい定食にする
「学術、専門・技術」で働く方々の特徴
とにかく運動不足になりがちです。
同じ姿勢でずっと座って仕事をしていると、筋肉が披露してきます。
また歪んだ姿勢で、長時間仕事をすると、肩が凝ったり、目が疲れたりと新陳代謝が悪くなってしまいます。
そして、からだを使うことよりも、頭を使うことばかりに偏ってしまい、頭も疲れてしまいます。
首や肩の凝りや、目の疲れも多いことでしょう。
また、同じ空間の中でうまくストレスを解消する術を知らないと、ストレスが溜まって心の新陳代謝も悪くなってしまいます。
「学術、専門・技術」で働く方々の対策
- 部屋から移動したり、足動かすなど、定期的に身体を動かす
- 座っている姿勢のチェックをする
- 腹筋や背筋を意識する。
- お腹周りを動かす運動をする。
- 気分転換をしてストレス解消を心がける
「協同組合」で働く方々の特徴
男女ともメタボになりやすいのが、協同組合の職種の方々です。
やはり、上記のデスクワークの方々と同じように運動不足が考えられます。
対人関係などのストレスが多いことが考えられます。
相談や電話対応なども多いことでしょう。
よって、ストレスが溜まっている人が多いと思われます。
「協同組合」で働く方々の対策
- 仕事にリズムを付ける
- 小まめに身体を動かす
- 相手の悩みをストレスを抱えないように聴く
「医療・介護」で働く方々の特徴
女子の仕事ではこの職種の方はメタボになりやすいと報告されています。
医療事務のお仕事の方は、上記のような長時間のデスクワークでメタボになりやすくなっていることでしょう。
その他、医療関係は立ち仕事の時間が長かったり、介護は精神的、肉体的な負担が大きいことでしょう。。
よって、ストレスも大きく影響していることが考えられます。
また、寝不足などもメタボの原因となってしまいます。
「医療・介護」で働く方々の対策
- 睡眠を十分とって、からだの疲れを残さないようにする
- 立ち仕事が長い方は、横になる時間を積極的に作る
- 介護の仕事では、膝や腰に負担のかからない、からだの使い方を学ぶ
- ストレスを解消する術を身につける
最後に
どうしても、職種によって仕事の時の姿勢や、仕事の時間、対人関係などメタボになりやすい要素の多いものもあるでしょう。
ですが、その仕事の特徴を理解し、工夫してお仕事をしている方もたくさんいらっしゃいます。
ある方は、タクシーの運転手をしながら、お客さんの先に動く!ということを心がけていて、それが良い運動になっている方もいらっしゃいます。
建設業のお仕事を、筋力トレーニングをするような気持ちで、からだの使い方を研究しながら行っている方もいらっしゃいます。
相談窓口の方は、表情を豊かに顔の表情筋を使うよう意識したり、てきぱきとした動作でメタボ対策をしている方もいらっしゃいます。
そのように仕事を工夫すると、メタボ対策だけでなく、お仕事もスムーズに進み楽しくなってきます。
そしてどのお仕事の方にもお勧めしたい事があります。
お昼ご飯の時は、どんぶりものや麺類だけではなく、野菜やたんぱく質もしっかり摂れる定食を摂ることです。
バランスよく食べたほうが新陳代謝がよくなります。
メタボリックシンドロームになりやすい職業が報告されましたが、そのお仕事をしている方すべてがメタボになるわけでもありません。
メタボになる傾向があるのであれば、それを上手に対策することは、充分可能です。
そのことによって、健康になると同時に仕事力を高めることにプラスになります。
あなたのお仕事は、どんな特徴があるかを知って、そして対策を考えてみましょう。
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