正常な血圧というとすぐ思い浮かべるのは、数値ではないでしょうか。
この基準値内だと安心と考えますね。
基準値から離れると、さあ大変!
と不安に思ったり、慌てる方も多いことと思います。
ですがこの基準値は時代と共に変わるのです。
永遠に不変のものであれば、安心なのですが、ここ30年の間だけでも、ものすごく変わっているのです。
本当に安心できる血圧とはどういうものでしょう。
いつの時代にも通用する、正常な血圧を作る為の大事なことをお伝えいたします。
時代と共に変わる血圧の基準値
ここ30年の間に上の基準値が50近くも変わりました。
1987年ごろは180mmHgでした。
2000年は160/95(上の血圧/下の血圧)となり、今は130/85というように基準値が変わってきました。
前の基準値では基準値内なのに、新しくなったら、高血圧の範囲に入ってしまった。ということも生じてきます。
同じ血圧でも正常値の時代もあれば、高血圧と診断されてしまう時代もあるのです。
30年間で人間がそんなに変わってしまったのでしょうか。
高血圧の時、数値が下がればよいからと言って、お薬だけで下げて、からだの調子がよくなるかと言えばそうでもありません。
実は、脳出血は減っているのですが、脳梗塞は減っていないのです。
お薬を飲んでいても脳梗塞になってしまう方がいらっしゃるのです。
ということはお薬だけで下げても安心できないですね。
そして少し高めで元気な方もいれば、同じ数値でも体質などによってそれぞれ違ってしまうのです。
ですがどの時代にも通用するベストな血圧の作り方があります。
それにはどんなことが関わっているでしょうか。
自分と自然との関係
血圧が自然の影響を受けるということをご存知でしょうか。
夏、血圧が安定しているのに、冬になると高くなってしまう。
ということを経験した方も多いことでしょう。
夏は暑いことから血管が拡張して血圧が下がりやすくなります。
冬は寒いことから、血管が収縮して血圧が上がりやすくなるのです。
寒い寒いと震えたままでいると、血圧は高いままです。
着るもので調整したり、また季節によって変動するということを知って、慌てないことが大事です。
また朝と夜では、朝は交感神経の働きが優位になり、血圧が高くなりがちです。
夜は副交感神経の働きが優位になり、血圧が下がってきます。
そのように身体は、自然のリズムに合わせて、調節しています。
また、一時的に乱れてももとに戻そうとする力があるのです。
私達は自然の一部ですから、これらの変化に適合して、調和して生きていくことが大事です。
自分と環境との関係
生まれた時代によって、環境が違います。
例えば、戦争が行われていた時代に生まれると、男性の場合徴兵の知らせが突然来るかもしれません。
そのような時も、びっくりしたり、緊張した時も一時的には血圧が上がります。
ですが、それを受け入れ心を落ち着けて考えることができれば、血圧も落ち着いてきます。
ずっと上がった乱れたままの血圧が血管に悪影響を及ぼしてしまうのです。
生まれた時代の中で、どう自分らしく生きていくかという考え方をしっかり持つことが大事です。
また、仕事でもいろんな環境の変化が出てきます。
突然転勤になって家族と離れることになることもあるでしょう。
外国で言葉もわからないところに転勤になるかもしれません。
その環境と調和して行くことができると血圧も安定します。
自分自身との関係
自分の身に起こったことの捉え方も大事です。
起こってしまったことに対して、余計な感情を入れてしまうと、自分が乱れ、それが血圧の値に影響してしまいます。
まずは初めから、自分をダメだとか、悪く自分で評価しないことです。
せっかく神様が身体を下さったとしても、その身体を無理だ、ダメだ、できないとけなしてしまっては、下さった神様はがっかりしてしまいますね。
例えば、農家の方が美味しい果物を作りたくて、栄養を与えたり、心をこめて育てても、その果物が、
「私はまずい果物だから、良い実はつけられない。」
とかたくなに否定したら、心を籠めて作った方もがっかりしてしまいます。
あなたの中には素晴らしい力が眠っています。
高血圧で、からだの調子が今一つでも、自分で治す力(自然治癒力)が備わっているのです。
あなたが消極的になってしまう原因を取り除いていく為に、まずはからだのバランスを調えることから始めましょう。
最後に
自分と自然と環境の調和が取れた時が、「正常な血圧」と言えます。
季節の変化、それぞれの時代の環境の変化、これに振り回されると血圧も乱れてくるのです。
数値は目安になりますが、絶対という訳ではありません。
人それぞれ、体質や性格なども違うからです。
心の状態も身体に反映されます。
どの時代でも通用する「正常な血圧」を作る為には、
- 自然のリズムに合わせて生活する
- 生活環境の変化に順応できる考え方を持つ
- 心穏やかに前向きな気持ちで自分自身と接する
この3つとの関わりを大切にしましょう。