太ってお腹が出てしまっている人をメタボ(メタボリックシンドローム)と思っていませんか。
実は、お腹が出ているだけではメタボではないのです。
お腹が出ていることに加えて、高血圧や糖尿病、脂質異常症の中で基準値外になってしまったものを2つ以上持っている人をメタボと言います。
なぜこんなにお腹が重要視されているかというと、生活習慣病という病気の原因に、お腹のところに溜まった内臓脂肪が大きく影響しているからなのです。
お腹周りも大きいし、高血圧でもあるし、こまったなあと健診結果を見ながらため息をついている方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、多すぎる内臓脂肪が原因ということは、多すぎる内臓脂肪が減ってくると、高血圧や糖尿病や脂質異常症等に良い影響が生じてくることになります。
よって、改善するために何から始めたらよいかという目標は立てやすいです。
初めのターゲットは腹囲!と自ずと決まってきます。
そんなに単純ですか?
という方もいらっしゃるかもしれません。
そこから興味を上昇させていけばよいのです。
やってみましょう!
肥満には内臓脂肪型肥満と皮下脂肪型肥満がある
この違いを理解しておくことは大切です。
内臓脂肪型肥満
別名リンゴ型肥満と言います。
お腹がポッコリ出た体型で、内臓の周りに脂肪が付いた肥満です。
この内臓脂肪はつきやすいけど落ちやすい!
皮下脂肪型肥満とは
別名洋ナシ型肥満と言います。
太ももとか、お尻とか腰回りなど下半身を中心に脂肪が集まる肥満です。
こちらは、落ちにくいのです。
メタボ(メタボリックシンドローム)とは
メタボリックシンドロームは上の内臓脂肪型肥満のことです。
内臓脂肪症候群とも言われます。
内臓に脂肪がたまることが原因になって、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が起こってしまうから問題です。
ですがこの内臓脂肪は、つきやすいけど落ちやすいです。
嬉しいことです。
よって、メタボだからと言ってがっかりする必要はありません。
目標を持って行えば、短期間で内臓脂肪を減らすことは十分に可能です。
メタボの診断基準とは
へそまわりのウエストサイズが男性85cm以上、女性90cmm以上(これは内臓脂肪の面積が100平方センチ以上になっている目安です。)
それに加えて、
- 中性脂肪(トリグリセライド)150mg/dl以上か、HDLコレステロール40mg/dl未満、または両方に当てはまる。あるいはこれらの薬物治療を受けてい場合
- 収縮期血圧(上の血圧)130mmHg以上か、拡張期血圧(下の血圧)85mmHg以上、または両方にあてはまる。あるいはこれらの薬物治療を受けている場合
- 空腹時血糖100mg/dl以上、あるいはあるいはこれらの薬物治療を受けている場合
この血圧、血糖、脂質異常の3項目のうち、2つ以上あてはまればメタボリック症候群だということになっています。
女性のウエストサイズの方が何故大きいのか
女性の方が、皮下脂肪の方が多いので男性と同じようにお腹がポッコリしていても、内臓脂肪が少ないためです。
高血圧でメタボの時は迷わず腹囲を意識する
高血圧など生活習慣病の時は、運動、食事、睡眠、喫煙、アルコール等いろいろ気を付けることがあります。
ですが、メタボであれば、まずはじめに腹囲の数値を意識することが大事です。
体重より意識しやすいです。
なぜなら、体重はその場で重さは変わりませんが、腹囲は、姿勢や呼吸などでその場で意識すると変わるので、自分で確かめながらできます。
目標の数値を立てる
一週間で何センチ減らすか、目標の数値を立てましょう。
タクシーも目的を言わないと到着しません。
腹囲をすっきりさせたい時も、同じように漠然としていてもダメなのです。
そして毎日、腹囲と体重を測ってグラフにしましょう。
目で脳を刺激します。
目標の数値を口にしたりイメージする
腹囲が80cmになっていく、ワクワク!
と口にしたり、イメージしましょう。
脳にそのように覚えさせることが大事です。
変わらない、減らないといつもマイナスで思ってしまうと、脳がそれを覚えてしまうのです。
姿勢を良くしたりお腹を引っ込める習慣をつけよう
運動を頑張らなければと思わずに、簡単にできる姿勢と呼吸に気をつけましょう。
姿勢はこちらを参考に:1回30秒で猫背解消!高血圧にも抜群の効果あり
呼吸はお腹を腹式呼吸がお勧めです。
腹式呼吸はこちらを参考に:腹式呼吸で呼吸運動をしよう
また、普段からお腹から声を出すことも腹筋をつかうことになりお勧めです。
最後に
メタボと言えば、腹囲をスッキリさせなければならないというのはわかっているけれど、なかなか取り組むことができないという方も多いことでしょう。
いろんな情報がありますが、まずは迷わず自分の腹囲を測って意識することから始めましょう。
私は15年前から、全国の自治体で、メタボ対策の講演を行ってきました。
初めは腹囲を何とか減らすにはどうしたら良いかというところからお伝えしていました。
そうすると、面白いことにだんだん興味が上昇していくのです。
より効果の出る動き方とは、食事の情報も次々と変わっていきます。
今では、より短期間でその方に合った指導をすることができるようになりました。
初めは、なんだ腹囲か、と思うかもしれませんが、そこからいろんな気付きが始まります。
腹囲や体重を測るところから始めてみましょう。
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